2020年9月15日(火)

電子情報通信学会「エレクトロニクスソサイエティ招待論文賞」を受賞

当研究所電磁環境研究室のチャカロタイ ジェドヴィスノプ主任研究員が、電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ招待論文賞を受賞し、2020年9月15日(火)に電子情報通信学会ソサイエティ大会において授与式がオンラインで開催された。

同賞は、電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティにおいて、その前年の1月から12月までの間に発表されたソサイエティ内の招待論文の中で最も優れた一編の論文に与えられるものである。今回の贈呈は10回目で、20編の招待論文の中から本論文のみが選出された。

この論文は、任意の周波数特性を有する誘電体及び磁性体を含んだ広帯域パルス電磁界の散乱問題及び放射問題に対して、高速逆ラプラス変換及び時間波形の特徴を抽出できるProny法を利用した広帯域時間領域差分解法の一般定式化を新たに行ったもので、革新的な解析手法の提案である。生体組織の電気定数の周波数特性を解析に組み込み、数値結果と理論解を比較することで、提案手法の妥当性を確認した。また、人体近傍における広帯域アンテナの設計に本手法を適用し、一度で広帯域な解を求めることができるため、従来法と比べて数十倍も計算時間を短縮できることを示した。これにより、これまではほぼ不可能であった体内における広帯域パルス電磁界の時間波形を直接求めることができるようになった(下左図)。

本提案手法は、人体近傍広帯域アンテナの解析に限らず、広帯域パルス電磁界の人体ばく露評価や、人体周辺・内外の超広帯域通信、超広帯域電子回路、地中レーダ、テラヘルツ帯超広帯域非破壊計測など、広範囲な研究領域に関して、高精度・高速な広帯域電磁界の解析を可能にした先駆的な研究である。

論文名:
超広帯域電磁界解析のための周波数依存性FDTD法
者:
チャカロタイ ジェドヴィスノプ、和氣加奈子、渡辺聡一、陳強、澤谷邦男
掲載誌:
電子情報通信学会 和文論文誌C, vol. J102-C, no. 5, pp. 102-113, May 2019.
体内植え込み医療機器との通信を想定した
人体内広帯域パルス電磁界の伝搬の様子
(左から)渡辺室長、チャカロタイ主任研究員、和氣研究マネージャー